死にたがりの楽天家・自由堂ノックがが裁判傍聴やADHD、仮面ライダー、刀使ノ巫女などをテーマに書きます。
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何度言っても片付けない。
将来のことを考えた人生設計ができない。
料理を手伝ってと言ってもさっぱりできない。
仕事の段取りがさっぱり取れない。
定型の人から見れば、「そんな難しいことを頼んだわけではないのに、なんでできないんだろう?」とイライラするでしょう。
この時、ADHDの頭の中で一体、何が起こっているのでしょうか。
……何も起きていないのです。
例えば、ADHDが大掃除をしようとします。
「よ~し、どこから掃除するか計画を立てるぞ!」
その瞬間、脳みそフリーズ!(個人差があります)
脳内で鳴り響くアラーム!
「あなたの脳みそに、『計画を立てる』『段取りをつける』のアプリケーションはありません。インストールしてください」
……そんな馬鹿な。クリックするところを間違えたかな? もう一回、実行!
「あなたの脳みそに、『計画を立てる』『段取りをつける』のアプリケーションはありません。インストールしてください」
こうなっちゃうともう何にもできない。だって、実行するソフトが入ってないんだもん。
「インストールしてください」だって。どこでインストールすればいいのやら。
これが、ADHD、少なくとも僕の脳内で起こっているすべてです。
片付けようとすると、
計画を立てようとすると、
手伝おうとすると、
段取りをつけようとすると、
「お前にそんなアプリはない!」と言ってフリーズするのです。
……どうすればいいのですか?
今回から2回にわたり、ADHDとお仕事の関係について書いていきたいと思います。
「大人のADHD」という言葉をよく聞きますが、これは決して大人になってからADHDになった、という意味ではありません。
生まれつきADHDだったことが大人になって初めてわかった、ということです。
私は、自分がADHDという知的障害者だと気づくのに24年かかりました。これでもまだ早い方だと思います(もっと前の世代だと、そんな言葉知らないまま一生を終える可能性もある)。
なんで大人になるまで気づかないのかというと、
「学校の勉強はまあまあできたのに、就職したとたんにまるで使い物にならない」という人が多いからです。それほどまでに、ADHDにとって仕事は重要です。
よく、「選ばなければ、仕事なんていくらでもある」とか、「生きるためにどんな仕事だろうと頑張れ」とか、「世の中に楽しい仕事なんかない」とか、「どんな仕事も最初の3年は我慢しろ」とか、『社会人の知恵』とでもいうべき諸先輩方のありがたいお言葉がありますが、
ああいうのは大抵、ADHDじゃない人(定型発達者)に向けて書かれた言葉です。
ADHDは仕事を選ぶのです。
もし向いていない職業にうっかりついてしまうと、仕事ができず周囲に迷惑をかけ、日々冷たい視線にさらされ、どんどん自己評価が下がっていくという悪循環に陥ります。
「そんなの甘えだ! 『向いてないかも』と思った仕事でも、みんな必死に食らいついてやるもんだ!」と思っている立派な社会人のあなた!
それは、あなたの職場にあなたを含め、ADHDの人がいないから言えるセリフです。
もしあなたの職場にADHDの人間がいれば、
なんでこんな簡単なこともできないのかとイライラし、
何度言っても同じミスを繰り返す姿にイライラし、
うっかり大失敗をやらかす姿にぶち切れ、
「俺の職場から消えろ」的な目線、もしくは言動を浴びせることでしょう。
そして、そう思われていることに気づかないほど、
僕らは馬鹿じゃない。
だから、一度社会から脱落したADHDの復帰は難しいです。
だって、職場は怖いもの。
みんなが邪魔者扱いしていることぐらいわかってるし、その原因が100%自分にあることもわかってるし、直そうとどんなに頑張ってもまた繰り返してしまうこともわかってる。
こうして、ADHDを排除して「できる社会人」だけの完璧な世界は今日もまわっていきます。
だいぶ前置きが長くなりましたが、向いていない仕事は避けるに越したことはない。ADHDに向かないと言われているお仕事を紹介していきます。
1.事務
ひどくざっくりとした言い方ですが、どんな会社であれ、事務作業はADHDの天敵です。
なぜなら、不注意の多いADHDに書類を用意させれば、「書類不備」など日常茶飯事だからです。
さらに、整理整頓ができないので、大事な書類は行方不明。
要領が悪いので、簡単な仕事でも恐ろしくもたもたします。
正確さや仕事の速さが求められる事務は向いていないのです。
2.製造業
いわゆる工場のベルトコンベアとか、向いてませんね。
失礼を承知で言わせてもらえば、ADHDの天敵は「退屈」だからです。
集中力もないので、製造業もあまり向いていません。
3.現場作業
事務の時にも言いましたが、基本的にADHDは不注意です。
よく、工事現場に行くと「安全第一」「事故は気の緩みから」みたいな標語を見ますよね。
そんなところにADHDを立たせてはいけません。
「バカヤロー!」って親方にどなられている姿が目に浮かびます。
要領も悪いので仕事はもたもたもたもた。
「バカヤロー!」って現場監督にどなられている姿が目に浮かびます。
4.接客業
これも、不注意や要領の悪さが災いするというのもあるのですが、
接客業にはいろんなお客さんが来ます。
もちろん、すべてがマニュアル通りにはいかず、さまざまなトラブルが発生し、その都度、臨機応変な対応が求められます。
この「臨機応変」ができないのです。
ADHDは具体的な指示がないと動けません。「いつまでに、どこで、なにを、だれと、どうやって」を指示してもらわないと、自分では判断できないのです。
そんな人に「状況に応じて臨機応変に対応して」など、無理です。脳みそがフリーズします。
あと、段取りも取れないので、「あれをやって、次にあれをやって」というのを考えることもできません。
5.警備員
急に具体的な名前が出てきた(笑)。ここから先は「経験者は語る」と行きましょうか。
まあ、接客業の項目も「経験者は語る」だったのですが。
まず、警備員の仕事は基本退屈です。退屈に越したことはないのですが、退屈です。この時点で向いていません。
退屈なくせにちょっとしたミスで、下手したら人命にかかわる場合もあります。
もちろん、臨機応変な対応を求められます。これも苦手です。
そんな警備員さんですが、彼らが何を生きがいにしているのかというと、お客さんからの感謝なのだそうです。
ある現場の隊長はスピーチで「感謝されて何とも思わない奴は、人間じゃない!」と断言していました。
困ったのは私です。
仕事で感謝されても、何とも思わないからです。
そんなお世辞で感謝されても、うれしくもなんともない。何をそんなにありがたるのか。
プライベートで友達から感謝される分には僕もうれしいけど、仕事としてやったことで感謝されても、……特に何も感じないなぁ。
この考え方のADHDは結構多いみたいで、
自分がこういうことを人にしてもらったら感謝の言葉を言うのは当たり前だと思っている一方で、
こういうことをしたら感謝されるのも当たり前。
だから、感謝されたところで別に何とも思わない。これ、結構ADHDのスタンダードなのかもしれません。
例えば、巡回中にゴミを拾ったとしましょう。
ゴミを拾ったらそのお店の人から感謝された。
……何とも思わないですね。だって、逆の場合だったら僕も当然お礼言うし、そこの社交辞令に意義を見いだせないのです。
これは、もしかしたら定型の人にはショッキングな事実かもなぁ。
でも、その分「感謝を求めて何かする」ってこともないから大丈夫。もちろん、感謝されなくても、何とも思いません。
ほしいのは「感謝」ではなく「評価」の方ですね。「頑張ったね」「すごいね」の方が、「ありがとう」なんかよりよっぽどうれしいのですが、警備員がそのように褒められることはほとんどないです。
6.医療関係
ここまで読んでくればわかると思いますが、
人の命を預かる仕事などもってのほか!
私は親から、「医者と航空管制官にはなるな」と言われました。どちらも人命を預かる仕事だからです。
臨機応変な対応もできず、段取りも取れないので、急患なんぞでてもおろおろするばかり。
もっとも、刺激があると仕事ができるので、人によっては向いてるのかもしれませんが、「毎日刺激的だから医者になりました!」なんて奴に命を預ける患者がいるかどうか……。
さて、そろそろうすうす気づいてると思いますが、
要は勤め人に向いていません!
時間の管理ができないADHDに、「毎日決まった時間までに出社させる」ことは難しいですし、
退屈に耐えられないADHDに、「毎日同じ場所に通って同じ仕事をする」というのも苦手です。
またADHDは自分が納得できないことは絶対にやらないという頑固さを持っているので、
「規則だから」「命令だから」と言われても、合理的に納得できないことはやりたくないのです。
そしてなんと、具体的な指示を出してもらえないと動けないにもかかわらず、
命令されることを嫌がります。
「○○しといてね」という「指示」には素直に動くけど、
「○○しろ」という命令には「え、なんで?」という反応を示します。
どうしてこんなややこしいことになるのかというと、
上司をえらいと思っていないからです。
ADHDは物事の優先順位をつけることが苦手です。
それは、相手が人間の時も一緒。人間の優先順位をつけるのが苦手なのです。
つまり、生まれながらに全人類を平等に扱う博愛主義者。全人類みな兄弟だと思っているわけです。
だから、上司が「肩書」としてえらいのは理解できるけど、「人間」としてえらいだなんて1mmも思わない。上司だろうが、社長だろうが、自分と同じ人間。法の下の平等は憲法で保障されている。
だから、「人としては対等」であるはずの上司に「命令」されると、
「え? なんでこの人、命令してくるの? 何様のつもり? 同じ人間じゃん?」
という風に反応します。本気で。
とまあ、ここまで書いてきて、たぶん定型の人の常識が引っくり返るようなことをいくつか書いてきたと思いますが、すべてはADHDについて知ってもらうため。
次回はいよいよ、ADHDに向いている仕事を紹介します。
あるのかい、そんなの。
あるんです!むむっ!また次回!
⇒ADHDのハローワーク後編 ADHDにお勧めの5つの仕事
どうも、自称ADHDの自由堂ノックです。今回、まず最初に書かなければいけないこと。
「楽に付き合える」って、いわゆる「恋愛のお付き合い」のことじゃないからね!
ここでいう「付き合える」って、「同僚、上司、部下として接する」という意味で、決して恋愛の話じゃないからね!
これ、重要。何で重要かっていうと、発達障害者は文章や言われたことを額面通りに受け取るから。「冗談のつもり」なんて基本的に通用しません。
さてさて、発達障害の大人の割合は、全体の5%くらいと言われています。20人規模の職場では、必ず一人くらいいるわけです。
彼らは日々、職場のお荷物として生活し、努力で改善しようとしてもどうにも改善できず、「職場から消えろ」という無言・もしくは有言の圧力を受けながら日々憂鬱な気持ちで通勤電車に乗っています。
一方、そんな職場のくずに付き合う方も、日々フラストレーションがたまる一方。
そんなお困りの職場の皆さん! 今日は、発達障害者とちょっと楽に付き合える、かもしれない方法を4つご紹介します。
でも、お高いんでしょう?
それがブログならなんとタダ!
え~、安~い!
さて、本来なら『発達障害』とひとくくりにせず、これはADHD、これはアスペルガーと区別して書くべきなのですが、今回は当事者というより、診断名は割とどうでもいい周りの人間向け。それに、ADHDとアスぺを併発する人もざらにいるので、あえて分けずに書きます。診断名にとらわれることなく、症状で見ていきましょう。
①言われたことをすぐ忘れる
これぞ、ADHDの鉄板ネタと言ってもいい症状。
「あれとこれをやって、終わったらそれをやっといてね」と指示を出せば、そのうちの一つ二つは抜け落ちます。ADHDはワーキングメモリというものが著しく弱く、「指示」「予定」の類を覚えるのが苦手なのです。
そんなお困りの皆さんに取っ手を機の方法を持ってきました!
まずは、メモを取らせる!
これまたADHDのうっかり対策の鉄板です。
しかし、うっかりメモを見ることも忘れるときがあります。そこで、メモとセットでこれをやってみましょう。
1個1個指示する!
一度に2個も3個も支持をするから忘れるのです。1個ずつ支持していけばさすがに忘れない!
しかし、こっちも忙しい。毎回毎回いちいち1個ずつ支持してたら、自分の仕事に集中できない!
そこで、「メモ」と「1個1個」のミックス!
「1個1個メモを取らせる」のです。
正確に言えば、「一つの指示は一つの紙に書く。一つの紙に2つ以上の指示は書かない」。
メモは持ち歩かせるとなくすかもしれないので(ADHDはなくしものの天才)、本人の机の目立つところとかに置いときます。
1個作業が終わったら、机に戻ってメモを確認。読み終わったメモはごみ箱に捨てて、作業に向かいます。
この際、口頭で別の仕事を頼むと、せっかく読んだメモの内容がどっか言ってしまいます。
新たに仕事を頼みたいときは、メモを書いてもとからあるメモと一緒に置いときましょう。
②指示が伝わってない
なぜか、こっちの意図したことと違うことをやることがある発達障害者のみなさん。「この書類をあっちへ持ってって」と言ったら違う部屋に持っていったり。「これ捨てといて」って言ったら大事な書類を間違えて捨てちゃったり。
なんで指示がちゃんと伝わらないんだろう、とお困りのあなた! とっておきの方法をご紹介しましょう!
ズバリ、ズバリ、「指示語をなくす」!
指示語とは、「あれ」「こっち」「そこ」みたいな言葉のこと。
発達障害者はこの指示語の解釈が苦手です。
あと「いっぱい」とか「きちんと」とか「しこたま」とか「しっかり」とか「ちょっと」とか「はっきり」とか「まあまあ」とか「やや」とか、
なんとでも解釈できる副詞が大の苦手です。
日常会話に入ってるぶんは平気ですが、「指示」にこれらの言葉を入れられると、解釈に困ります。
例えば、「それ、あっちに少しもってって」と言われたら、ほぼ確実にぼくはこう聞き返すでしょう。
「どれをどこにどれくらい?」
そう聞くと、たいていの定型の皆さんは「それくらい言わなくてもわかるだろ。状況読めよ」
と思うらしいです。
一方こっちは、「なんで家族でも恋人でも親友でもない、単なる同僚に過ぎないこいつと俺の間に、暗黙の了解が成立するってカン違いしてんだよ、キモチワルイナ」と割と本気で考えます。
「指示語」や「副詞」のように、なんとでも解釈できる言葉はなるべく使わないようにしましょう。
要は、できる限り具体的な、他の解釈の余地などない指示を出すこと。と言っても難しいので、まずは指示語と副詞をなくすことから、言葉遊びだと思って始めてみましょう。
③なんでも先延ばしにする
すぐ忘れるくせに、言われたことを「後で~」と先延ばしにしてしまう発達障害者、とくにADHDの皆さん。
脳内物質の関係から、ADHDはぎりぎりにまで追い込まないとやる気が出ないのですが、そうはいってもやっぱりすぐにやらないのはよくない。
言われたことを何でも後回しにされて困ってるあなた! とっておきの方法をご紹介しましょう!
個々でもやることはさっきと一緒。できるだけ具体的に!
簡単です。「何分以内」という期限を設ければいいのです。短いけど無理のない締め切りを設定してあげる。
急いでなくても「何分以内」って言ってあげましょう。じゃないと、いつまでたっても先延ばしです。
④作業効率が悪い
とにかく見ていてイライラする。もっとこうすればいいのに、ああすればいいのに。あ~、いらいらする。
そんなフラストレーションがたまっているあなた、とっておきの方法をご紹介しましょう!
ズバリ、手の抜き方を教えてあげる。
特にアスペルガーに顕著なのですが、発達障害者は物事を額面通りに受け止めます。
マニュアルを渡されたら、書いてあることはすべて額面通りに実行します。
素晴らしいことですね。僕はバイト先で言われたことをすべて額面通りにやろうとしたら、こう叱られました。
「全部まじめにやってたら時間内に終わらないから、状況見てところどころ省いてやって」
まじめにやってたら叱られたのです。
こういう傾向は、特にアスペルガーの人に強いですね。
アスペの場合、とにかく不正、手抜きが大っ嫌い!
一方、ADHDの場合、「物事の優先順位が付けられず、どれを手抜きで、どれを力を入れてやればいいかの判断がつかない」というのがあります。
そこで、「マニュアルに赤線で書いてあげる」
本当に重要な部分は赤線をあらかじめひいといて、「時間がないから赤線のとこだけやって」と指示をしてあげてください。くれぐれも「状況見て自分で判断して」などと言ってはダメです。
最後に、発達障害者と付き合ううえですごい大事なことを教えます。
それは、極力怒らないこと。怒鳴らないこと。
難しいかもしれませんね。見ててイライラするのは、本人もわかっています。
しかし、発達障害者というのは子供のころから発達障害者なので、「何度言ったらわかるの!」「なんでできないの!」「なんでやってないの!」的な叱責をほぼ毎日受けて、トラウマになっています。
毎日殴られながら育った人が、暴力がトラウマになるのと一緒です。基本的に「怒られながら育ったせいで自己評価が低い」と言われています。打たれ弱いです。
それでも、発達障害者を見ていていらいらした時は、この言葉を思い出してみてください。
自分の意志で発達障害者になったやつは、歴史上、一人も存在しない。
そして、あなたが発達障害者にならずに済んだ理由はただ一つ、「神様の気まぐれ」意外に存在しない。