ADHDはスケジュールを作るのがめちゃくちゃ苦手です。物事の優先順位が付けられないので、何をどんな順番で手を付ければいいのか、わからないのです。
だから、「今から3時間、自由に使っていいよ」と言われると、「え? 何しよう? 本を読む? 音楽を聞く? たまってた作業をする? 録画してたビデオを見る?」とあれこれ悩んでも順番が付けられません。
結果、「ゲームでもするか」となって、たまってた作業も、たまってた録画もたまったまま。たまったもんじゃありません。
おまけに、ADHDは一回夢中になるとなかなか切り替えができません。そのまま丸一日ゲームを続けて、たまってた作業は明日へ繰り越し、なんてことも。
以前の私がそうでした。
でも、今は2つのスケジュール管理法を使っているので、だいぶスムーズに行動できます。
そのひとつ目が「GTD」。
グレートなティーチャーではないです。プロレスの団体でもないです。
GTDとは「Getting Things Done」の略。まあ、意味はどうでもいいんです。
大事なのは、やるべきことに優先順位をつける基準を与えること。
注意! 今回教えるのは、3年くらい使い続けて、だいぶ自己流になったものです。「GTDをもとにアレンジしたもの」と言ってもいいかもしれません。
まず、「やりたいこと」や「趣味」をばぁーっと書き出してください。「小説を書く」とか、「夕焼けを見る」とか、「ゲームをする」とかそんな感じ。
次に、それらを「今やるべきこと」と「後でもいいもの」に分けます。運動はやっぱり継続してやってかないと意味がないから「今やるべきこと」。音楽を聞くのは「後でもいいこと」。ブログを書くのは「後でもいいこと」。
この「今やるべきこと」を最優先で取り組みます。
「今やるべきこと」なんてそうそうないですから、たぶん3~4個ぐらいで収まると思い真s。
一方、「後でもいいこと」だけどやりたいことは結構いっぱい。
なので、さらに優先順位をつけていきます。
僕の場合は、「ゲームをする」や「裁判を見に行く」といった項目を、それぞれ「わくわくするか」、「期限があるか」、「時間がかかるか」、「ながらでできないか」でチェックし、いくつ合致するかで点数を与えます。
「ゲームをする」は僕の場合、デジタルゲームではなく、ノートとペンがあればできるものなので、時間はかかるけどながらでもできる。期限はないし、特段わくわくすることでもないので、1点です。
一方、「ラップを作る」は時間かかるしながらではできない。期限はないけど、すごいわくわくすることなので3点です。
そうして得点ごとにグループに分けます。
Aグループは「今やるべきこと」、Bグループは「後でもいいこと」の中でも得点の高い項目、Cグループは「後でもいいこと」の得点の低い項目。
そして、グループの中でローテーションをさせます。
1グループにつき1日にやるのは1個だけです。Aグループしかやらない日もあれば、ABCから一個ずつ、3つのことをやる日もあります。
Aグループに振り分けたものは、忙しい日でもやります。基本毎日ローテーションするものです。
Bグループはある程度時間があればやる。月に3回くらいのローテーションです。
Cグループは休日並みに時間があればやる。2~3か月のローテーションになることも。
さらに、点数にこだわらずに、それぞれのグループの項目の数がA<B<Cとなるようにします。Aグループをなるべく短いスパンでローテーションさせるためです。
もちろん、一度決めたグループ分けは絶対ではなく、「今すっごいゲームしたいから、ゲームをAに置く」ということも可能だし、「最近全然音楽聞いてないから、音楽をAに置く」や、「そうするとAの数が増えちゃうから、片付けはBにしよう」など、上記のルールにこだわらず柔軟にグループの移動をさせています。
最優先するのは「今自分が何がしたいか」ですから。
あともう一つ、去年から使っているのが、「今日のスケジュールを色分けする」。
確か、原案は池田千恵さんだったと思います。以前彼女の本を読んだとき、今すぐにでも役に立ちそうなスキルが満載でした。
なので、僕はその99%を無視しました。
「今すぐ役立つことは、今すぐ役に立たなくなる」とジョン・キムさんや池上彰さんが言っています。なので、基本「今すぐ役立つ情報」は無視していますし、そういう情報ばっかり扱うサイトの仕事はしません。(っていうか、そういうサイトに限って採用されない)
そういう本ばっかり読むのはよくないなぁ、と思います。サプリメントだけ食べて生きているようなものですから。ちゃんとお米と野菜を食べよう。
ただ、1%だけ、「今すぐ役に立って、毎日役に立つ」ことが載っていました。
それが「今日のスケジュールを色分けする」。
簡潔に書くと、重要だが今日やらなくてもいい「自分への投資」は赤。
重要だし今日やらなければいけない「食い扶持」は緑。
重要じゃないけど今日やらなければいけない「日課」は青。
重要じゃないし今日やらなくてもいい「趣味・遊び」は黒で書いています。
優先順位は①赤、②緑、③青、④黒の順番。優先順位の高いものほど時間を割いています。
ADHDは時間の見積もりが甘いので、時間の割き方にも優先順位をつけるとスムーズです。
船に乗ってた時、毎日寝る前に翌日の行動を事細かに決めていました。
友人には「偉いねぇ」なんて言われますが、
別に意識高い系でもなんでもなく、
ADHDは船のように自由時間が長い環境だと、ちゃんとスケジュールを決めないと、「あれもやりたいこれもやりたいどうしよう」で結局どうでもいいことに時間を割いてしまい、丸1日を無駄にしてしまうのです。
簡潔に言えば「スケジュールを組まないと、何もできない!」
逆に言えば、ADHDも工夫して自分に合うやり方を見つければ、十分対処できるのです。