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自由堂ノックの「生きるは恥だが死に切れず」

死にたがりの楽天家・自由堂ノックがが裁判傍聴やADHD、仮面ライダー、刀使ノ巫女などをテーマに書きます。

往生際の悪い男

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往生際の悪い男

今回お邪魔したのは、交通違反関係の刑事裁判。被告は60代くらいの男性。

交通違反の裁判ってやっぱり交通事故が多くて、一瞬の不注意で裁判に発展しちゃうから、見ててなんか切ないなぁ。

と思ったら罪状は「無免許運転」。

同情の余地なし。

しかも、無免許した理由がとんでもない。

なんと、飲酒運転や無免許運転で過去9回も違反を繰り返し、免許停止中に運転したのだとか。

被告は無免許運転自体は認めていて、情状酌量の余地があるかどうかを争う裁判。

まず最初に、弁護士が被告に質問しながら、被告に情状の余地があることを弁護していきます。

被告は免停になって以降、職場に電車やバスで通っていた。

ところが、ある日遅刻しそうになり、免停中と知りつつもたまたま自分で運転していたところ、たまたま警察に捕まってしまったのだとか。

……そんなたまたまあるかい。たまたま無免許運転した日にたまたま警察にばれたなんて。日常的にやってたんじゃないの?

弁護士の「反省してますか」の質問には、「はい!もう懲りたので!」

いやいや、懲りるチャンスは過去9回もあったんだよ。

「はい」の声もなんか軽いし、信用できないな~。

と言ったところで検察のターン。

ここで検察は逆転裁判でいうところの「異議あり!」をぶつけていきます。

まずは被告に「免停になってからは一度も運転していないのか?」と尋ねて被告は元気よく「はい!」と答えます。

まず検察官がぶつけた最初の証拠は、被告の奥さんの証言。

なんと、免停中に被告が運転しているのを何度か見たというのです。奥さんはてっきり免許を返してもらったと思っていたのだとか。

おまけに、奥さんを助手席に乗っけて車で買い物したこともあるとか。

この攻撃はかなりダメージが出かかたらしく、さっきまではきはきと答えていた被告が急にしどろもどろになり、沈黙が長引くようになります。

検察はさらに攻撃。なんと、こともあろうに取調べの段階で、被告は「免停後も何度も運転した」と供述していたというのです。

なぜ、取調べと裁判で主張を変えたのかと迫る検察官に被告が出した答えが、「無理やり運転させられた」。

どんな状況や!

明らかにもう勝負は決しているのですが、かたくなに「日常的に無免許運転していた」ことを認めようとしない被告。少しでも罪を軽くしたいのはわかるが、往生際が悪すぎる。

そんな被告いとどめを刺したのは裁判官でした。

裁判官「奥さんや会社の人を裁判に呼んで聞けば分かることですよ!」

被告「いや、会社の人に迷惑かかって……、クビになっちゃう……」

裁判官「なぜ、裁判で証言してもらうとクビになっちゃうのですか?」

被告「いや……」

長~い沈黙。

被告「無免許運転してました……」

裁判官「免許停止後も運転を続けていたことを、認めるんですね?」

カンカンカンカンカーン! 試合終了~!

その後、検察と弁護人が最後の意見を述べる場面。

事前に用意してきた原稿を弁護人が読み上げます。

弁護人「被告が反省していることは明白であり……」

反省してねーよ! 最後の最後まで言い逃れしようとしていたよ! 往生際が悪すぎるよ!

弁護人「今後は被告の妻が車の鍵を管理するため、再犯の可能性もありません」

またやるよ! 奥さん殴ってカギを出させるとか、再犯の方法なんていくらでもあるよ!

こんな文章読まなきゃいけないとか、弁護人は因果な商売ですな。

検察の求刑は懲役10か月でした。たぶん、情状はつかないでしょう。被告のためにも、一度刑務所に入ってしっかり反省したほうがいいのではないでしょうか。

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プロフィール

HN:
自由堂ノック
年齢:
35
性別:
男性
誕生日:
1989/03/01
職業:
ライター、商業ラッパー
趣味:
旅、ラップ、特撮
自己紹介:
地球一周した人見知り。フリーライター、地下小説家、商業ラッパー、「さいたま野仏ミュージアム」館長。焼肉記事や特撮記事書いたり、小説『あしたてんきになぁれ』を書いてネット公開したり、野仏の研究したり、川の写真撮ったり、仮面ライダーと戦隊を見たり、TRPGをやったり、そんな毎日。

P R